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春模様の長野より(5)~取材
リベルタビラ

昨日のリベルタビラでふれたもう1台とは、その右奥で凄まじいオーラを放つ初代さんでした。
平成まで生き抜いたハチマルと、昭和しか知らないであろう昭和30年代車が、
車名は違えど同じブルーバード販売店の親戚のような間柄が世代を越えて並ぶ凄い絵です。
遠目で見る限りサビ尽くしてはいますが、まだまだ現役の物置と見え、
フロントから左フェンダーにかけて崩れていてドアが落ちているほかは、
少し野暮ったいようなサイドビューのもとの太いピラーが功を奏しているのか、
昭和30年代車の果樹園物置とは到底思えないコンディションを保っています。

ダットサン・ブルーバード1200エステートワゴン
ダットサン・ブルーバード1200エステートワゴン
ダットサン・ブルーバード1200エステートワゴン

日産自動車
ダットサン・ブルーバード1200エステートワゴン(WP312)

長野県長野地域にて
2014年4月撮影

こちらの1台、2ドアのダットサン320ライトバン(V320)ではありません。
4ナンバーで5人乗りもできるという商用車ではなく、
ブルーバードセダンの高級感をそのままに詰め込んだ、
5ナンバーのエステートワゴン(=ステーションワゴン)です。

昭和35年3月に北米、中近東、東南アジアへの輸出でデビューをして、
日本国内では少し遅れて7月にWP310型の販売が開始されます。
35年10月にエンジン出力アップや、fullのバッチでお馴染みの
フルシンクロトランスミッション採用などの改良でWP311型、
36年8月にはフロントグリル変更でWP312型となり、
37年9月に最後のMCでフロントグリル変更が行われます。

参考にセダンでMC毎の変化を見比べてみますと、

P310~5908

昭和34年8月~(310)
日産自動車所蔵車

P311~6010

昭和35年10月~(311) フロントグリル左側にfullのバッチ
日産自動車所蔵車

P312~6108

昭和36年8月~(312) フロントグリルの意匠変更
トヨタ博物館所蔵車

P312~6209

昭和37年9月~(312) フロントグリルの意匠変更
日産自動車所蔵車

という具合に4つに分けることができます。

ダットサン・ブルーバード1200エステートワゴン

肝心のお山の果樹園に佇むこちらの個体がどれであるかと言うと、
グリル周りの損傷が激しく、グリルの端の具合が分からず判断をしかねるところで、
グリルにはfullのバッチがあるのが辛うじて分かるくらいなので、
これだけ写真を並べておきながらフロントからの追求を止めまして、

WP312テール

テールライトに転じて黄色と赤の上下の配置で見てみますと、
上が黄で下が赤なのが昭和36年8月~のモデルで、
上が赤で下が黄なのが昭和37年9月~のモデルなので、
写真から前者の昭和36年8月MCモデルであると考えられます。

コメント:管理人
参考資料:自動車ガイドブック、日本車検索大図鑑2、日産自動車三十年史
【2014/05/13 00:40】 | コーチ・ワゴン・1BOX | トラックバック(0) | コメント(6) | page top↑
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コメント
>105さん

TYPE-3バリアントに見えてしまうのは、私も同じです。
構造上どうしても似てしまうようですが、サイドビューはTYPE-3バリアントに軍配ですね。
【2014/05/15 18:37】 URL | 管理人 #-[ 編集] | page top↑
パッと見でリア周りが高年式のTYPE-3バリアントに見えてしまうのは僕がVW好きだからでしょうか…(笑)
【2014/05/13 21:18】 URL | 105 #-[ 編集] | page top↑
>草疲労さん

この後は、すぐ下のサンバーK77と、春模様の長野より(2)で出したコロナバン、210サニー、ミニカ70、E20ホーミー、ギャランΣが目ぼしい個体で日が暮れたので、コメントの個体たちには出会えずじまいでした。
ストリートビューが対応している地域でもあるので、研究をして再度アタックをかけてみたいです。


>羽前の国の旧車狂さん

この時代であれば年式打刻があるのでしたね。
もう少し頑張ってみればよかったです。
この姿になっても崩壊しない造りの良さと、物置として維持しつづけているオーナーに敬服の姿で、これを無碍にしては気の毒です。


>魔洲魅丸さん

テコ入れの仕方は今の日産に見習ってもらいたい積極さで、その一方でエステートワゴンの投入に様子見があるのは、いかにも日産らしいと思えるところです。

【2014/05/13 19:27】 URL | 管理人 #-[ 編集] | page top↑
日産得意の
このブルーバードも130セドリック並みの「テコ入れ変更」された・・・いや、ブルーバードの方が先ですね 年代からも「ステーション ワゴン」が既得な時代
【2014/05/13 17:31】 URL | 魔洲魅丸 #-[ 編集] | page top↑
この年代だったらガラスの端にある自動車ガラス証を見れば年式が特定できます。われて交換もあるので、すべてチェックして、一番多いのが年式と見ます。

 この個体は錆止めをきちんと施しており今も物置として使って居る事が判ります。ドアが外れている辺りがより、印象が強いですね。

 で、我が家の女子会は・・・・この状態は許されません。(笑)
【2014/05/13 08:00】 URL | 羽前の国の旧車狂 #-[ 編集] | page top↑
こんばんは。

こちらの個体、山を登って行くとちょっとだけ通りから見えセドリックのバンか何かと思ってました。

すぐ近くに、撤去されてしまいましたが三菱360も居ました。
このエリア、ダットサンバンや初代スプリンターも近くに隠れております。
【2014/05/13 00:57】 URL | 草疲労 #-[ 編集] | page top↑
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