
インターネットに上がっていた写真から是非とも見てみたいと思っていたベレットエキスプレスに、航空写真とストリートビューによる事前探索で見当をつけて向かい無事に対面してきました。
貴重な車が今日まで残っているので、さぞ人目に付かない奥まったところにあるのだろうと想像するところですが、二車線道路から姿を遠望できたうえ立地も道に面した所でした。



いすゞ自動車
いすゞ・ベレットエキスプレス年式:昭和39年登場~41年MC(前期型)
カッコーの鳴く高原にて
2018年7月2日撮影
ベレットエキスプレスという優美さを感じさせる名前が付けられていますが、乗用ワゴンではなく商用ライトバンです。
車体に表記された「自家用」の文字からもライトバンであるというのがお分かりいただけるでしょう。
ベレットのほかにヒルマン、ベレルにもエキスプレスの名が付いたライトバンがありました。

ベレットエキスプレスは、ベレットのスタイルをそのままに1トン積みのトラックにしたワスプ(KR10)がベースになっていて、身も蓋も無い話、実質はワスプライトバンです。
それでもワスプライトバンとして売らなかったのは、当時は各社揃ってライトバンに乗用車のムードを取り入れて貨客兼用車として売り出していたためで、ベレット譲りの良さ、ワスプ譲りの強さを両取りしてのエキスプレスだったのです。

ドアから後ろの屋根の造りが別物感があります。
ベレットエキスプレスは昭和39年に発売され、ガソリンエンジンの1300cc(KR10V)とディーゼルエンジンの1800cc(KRD10V)とエンジンラインナップはワスプと同じでした。
乗車定員5名、積載量は2名乗車で500kg、5名で300kgと、コロナバンやダットサンバンと変わりない性能でした。
昭和41年にベレットのフェイスリフト合わせてMCが行われ後期型となり、いすゞが保有するベレットエキスプレスがこれになります。

右前輪はスノータイヤを履いていました。
後輪は草に埋もれて確認不能です。

ボディに目立つサビは見られませんでしたが、内装のヘタリはやはり高年式車といった感じでした。
内張は剥がれ落ち、メーターが読めないくらい土埃が厚く堆積していて、車内は古い納屋のようで長く置かれていることが伺えました。
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